2015年8月7日金曜日

熱中症による労災申請(北海道 札幌)



熱中症による労災申請が増えているようです。


熱中症自体による労災事故と熱中症による判断能力の低下を原因とする労災事故が考えられます。


休 業 補 償 給 付 支 給などの労働者災害補償保険(労災)の請求をするには,


医療機関に受診する必要があります。


したがって,労働者は,可能な限り当日中に受診しておく必要があります。


(自宅で熱中症になった可能性を排除できないからです。)




*当事務所(社会保険労務士)では,労災申請の相談や書類作成を承っています。




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当事務所 札幌市中央区
(司法書士・行政書士・社会保険労務士事務所)のHP
 
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2015年7月25日土曜日

労働局のあっせんと社会保険労務士



労働局のあっせんについて,特定社会保険労務士はほとんど利用されていないようです。


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独立行政法人 労働政策研究・研修機構HP
http://www.jil.go.jp/institute/reports/2015/0174.html


労働政策研究報告書 No.174
労働局あっせん、労働審判及び裁判上の和解における雇用紛争事案の比較分析



都道府県労働局のあっせん事案(以下「あっせん」):2012年度に4労働局で受理した個別労働関係紛争事案853件




9.弁護士等の利用
弁護士の利用を見ると、あっせんでは労使双方なしが95.0%(労働者側の利用は0.7%)であるのに対し、労働審判では労使双方ありが88.9%、和解では95.3%と、対照的な状況である。なおあっせんでは社会保険労務士の利用が可能だが、やはり労使双方なしが94.0%である。




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2015年6月10日水曜日

労働者の給与(給料)明細書・源泉徴収票の請求

所得税法上,給与(給料)の支払者は,支払いを受ける者に対して,


源泉徴収票および給与明細書を交付する義務があります。


したがって,社長は,労働者に対して源泉徴収票および給与明細書を交付しなければなりません。


ただし,所得税を源泉徴収する必要がない場合は,源泉徴収票を交付する必要はありません。


源泉徴収票および給与明細書の交付義務に違反した場合は,一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処するとの罰則規定があります。


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所得税法
(昭和四十年三月三十一日法律第三十三号)



第二百二十六条  居住者に対し国内において第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等(第百八十四条(源泉徴収を要しない給与等の支払者)の規定によりその所得税を徴収して納付することを要しないものとされる給与等を除く。以下この章において「給与等」という。)の支払をする者は、財務省令で定めるところにより、その年において支払の確定した給与等について、その給与等の支払を受ける者の各人別に源泉徴収票二通を作成し、その年の翌年一月三十一日まで(年の中途において退職した居住者については、その退職の日以後一月以内)に、一通を税務署長に提出し、他の一通を給与等の支払を受ける者に交付しなければならない。ただし、財務省令で定めるところにより当該税務署長の承認を受けた場合は、この限りでない。
 居住者に対し国内において第三十条第一項(退職所得)に規定する退職手当等(第二百条(源泉徴収を要しない退職手当等の支払者)の規定によりその所得税を徴収して納付することを要しないものとされる退職手当等を除く。以下この章において「退職手当等」という。)の支払をする者は、財務省令で定めるところにより、その年において支払の確定した退職手当等について、その退職手当等の支払を受ける者の各人別に源泉徴収票二通を作成し、その退職の日以後一月以内に、一通を税務署長に提出し、他の一通を退職手当等の支払を受ける者に交付しなければならない。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
 居住者に対し国内において第三十五条第三項(公的年金等の定義)に規定する公的年金等(以下この章において「公的年金等」という。)の支払をする者は、財務省令で定めるところにより、その年において支払の確定した公的年金等について、その公的年金等の支払を受ける者の各人別に源泉徴収票二通を作成し、その年の翌年一月三十一日までに、一通を税務署長に提出し、他の一通を公的年金等の支払を受ける者に交付しなければならない。この場合においては、第一項ただし書の規定を準用する。
 第一項の給与等、第二項の退職手当等又は前項の公的年金等の支払をする者は、これらの規定による源泉徴収票の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該給与等、退職手当等又は公的年金等の支払を受ける者の承諾を得て、当該源泉徴収票に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、当該給与等、退職手当等又は公的年金等の支払を受ける者の請求があるときは、当該源泉徴収票を当該給与等、退職手当等又は公的年金等の支払を受ける者に交付しなければならない。
 前項本文の場合において、同項の給与等、退職手当等又は公的年金等の支払をする者は、第一項から第三項までの源泉徴収票を交付したものとみなす。

第二百三十一条  居住者に対し国内において給与等、退職手当等又は公的年金等の支払をする者は、財務省令で定めるところにより、その給与等、退職手当等又は公的年金等の金額その他必要な事項を記載した支払明細書を、その支払を受ける者に交付しなければならない。
 前項の給与等、退職手当等又は公的年金等の支払をする者は、同項の規定による給与等、退職手当等又は公的年金等の支払明細書の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該給与等、退職手当等又は公的年金等の支払を受ける者の承諾を得て、当該給与等、退職手当等又は公的年金等の支払明細書に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、当該給与等、退職手当等又は公的年金等の支払を受ける者の請求があるときは、当該給与等、退職手当等又は公的年金等の支払明細書を当該給与等、退職手当等又は公的年金等の支払を受ける者に交付しなければならない。
 前項本文の場合において、同項の給与等、退職手当等又は公的年金等の支払をする者は、第一項の給与等、退職手当等又は公的年金等の支払明細書を交付したものとみなす。

第二百四十二条  次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。ただし、第三号の規定に該当する者が同号に規定する所得税について第二百四十条(源泉徴収に係る所得税を納付しない罪)の規定に該当するに至つたときは、同条の例による。
 第百十二条第一項(予定納税額の減額の承認の申請手続)(第百六十六条(非居住者に対する準用)において準用する場合を含む。)に規定する申請書又は第百十二条第二項(第百六十六条において準用する場合を含む。)に規定する書類に偽りの記載をして提出し税務署長の承認を受けた者
 第百八十条第一項(国内に恒久的施設を有する外国法人の受ける国内源泉所得に係る課税の特例)、第二百六条第一項(源泉徴収を要しない報酬又は料金)又は第二百十四条第一項(源泉徴収を要しない非居住者の国内源泉所得)に規定する要件に該当しないのに偽りの申請をしてこれらの規定に規定する証明書の交付を受けた者、第百八十条第二項、第二百六条第二項又は第二百十四条第二項の規定による届出又は通知をしなかつた者及び第百八十条第四項又は第二百十四条第四項の規定による通知をしなかつた者
 第百八十一条(利子所得及び配当所得に係る源泉徴収義務)、第百八十三条(給与所得に係る源泉徴収義務)、第百九十条(年末調整に係る源泉徴収義務)、第百九十二条(年末調整に係る不足額の源泉徴収義務)、第百九十九条(退職所得に係る源泉徴収義務)、第二百三条の二(公的年金等に係る源泉徴収義務)、第二百四条第一項(報酬、料金等に係る源泉徴収義務)、第二百七条(生命保険契約等に基づく年金に係る源泉徴収義務)、第二百九条の二(定期積金の給付補てん金等に係る源泉徴収義務)、第二百十条(匿名組合契約等の利益の分配に係る源泉徴収義務)又は第二百十二条(非居住者又は法人の所得に係る源泉徴収義務)の規定により徴収すべき所得税を徴収しなかつた者
 第二百二十四条第二項(利子、配当、償還金等の受領者の告知)又は第四項に規定する告知書に偽りの記載をしてこれらの規定に規定する支払の取扱者に提出した者及び同条第三項の規定に違反して告知書を提出させないで支払をした者並びに第二百二十四条の二(譲渡性預金の譲渡等に関する告知)に規定する告知書に偽りの記載をして同条に規定する金融機関の営業所又は事務所に提出した者
 第二百二十五条第一項(支払調書)に規定する調書、第二百二十六条第一項から第三項まで(源泉徴収票)に規定する源泉徴収票又は第二百二十七条から第二百二十八条の三の二まで(信託の計算書等)に規定する計算書若しくは調書をこれらの書類の提出期限までに税務署長に提出せず、又はこれらの書類に偽りの記載若しくは記録をして税務署長に提出した者
 第二百二十五条第二項に規定する通知書若しくは第二百二十六条第一項から第三項までに規定する源泉徴収票をこれらの書類の交付の期限までにこれらの規定に規定する支払を受ける者に交付せず、若しくはこれらの書類に偽りの記載をして当該支払を受ける者に交付した者又は第二百二十五条第三項若しくは第二百二十六条第四項の規定による電磁的方法により偽りの事項を提供した者
 第二百三十一条第一項(給与等、退職手当等又は公的年金等の支払明細書)に規定する支払明細書を同項に規定する支払を受ける者に同項の規定による交付をせず、若しくはこれに偽りの記載をして当該支払を受ける者に交付した者又は同条第二項の規定による電磁的方法により偽りの事項を提供した者
 正当な理由がないのに第二百二十五条第三項ただし書、第二百二十六条第四項ただし書若しくは第二百三十一条第二項ただし書の規定による請求を拒み、又は第二百二十五条第三項ただし書に規定する通知書、第二百二十六条第四項ただし書に規定する源泉徴収票若しくは第二百三十一条第二項ただし書に規定する支払明細書に偽りの記載をしてこれらの規定に規定する支払を受ける者に交付した者

2015年6月8日月曜日

療養補償給付と打切補償による解雇の判例



いわゆる専修大学事件です。


労働基準法19条1項ただし書を使用者側有利に解釈しました。


原審は労働基準法上の文言という形式論を重視しましたが,最高裁は実質論をとりました。


ただし,最高裁は,本件解雇の労働契約法16条の該当性を審理させるため,原審に差し戻しました。




事件番号
 平成25(受)2430
事件名
 地位確認等請求反訴事件
裁判年月日
 平成27年6月8日
法廷名
 最高裁判所第二小法廷
裁判種別
 判決
結果
 破棄差戻
判例集等巻・号・頁
判示事項
裁判要旨
 労働者災害補償保険法に基づく療養補償給付を受ける労働者が,療養開始後3年を経過しても疾病等が治らない場合には,使用者は,当該労働者につき,労働基準法81条の打切補償を支払って,同法19条1項ただし書の適用を受けることができる
参照法条
全文
全文

2015年5月16日土曜日

パワーハラスメント対策導入マニュアル 厚生労働省

社長自体が,パワハラの権化みたいな会社も多い中,このマニュアルのお役立ち度はどうなりますでしょうか?


「社員の過労死の責任により,社長が刑務所に行きました。」とか,「損害賠償金の支払いで会社も社長も破産しました。」となるような方針を採用した方が,パワハラ対策の実効性があるでしょうね。


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「パワーハラスメント対策導入マニュアル」を初めて作成しました

平成27年5月15日

【照会先】
労働基準局 労働条件政策課賃金時間室



 厚生労働省は、このたび、職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた取組を推進するため、企業の中でパワーハラスメント対策に取り組む際の参考になるよう、「パワーハラスメント対策導入マニュアル~予防から事後対応までサポートガイド~」※を初めて作成しました。また、7月から、今回のマニュアルを活用した「パワーハラスメント対策支援セミナー」を全国約70か所で無料開催します。

 パワーハラスメントについては、80%以上の企業が「職場のパワハラ対策は経営上の重要な課題である」と考えていますが、予防・解決のための取組を行っている企業は全体の45.4%です。特に、従業員数100人未満の企業では18.2%に留まり、約20%の企業が「現在は行っていないが取組を検討中」と回答しています。(「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」平成24年度)

 このため、パワーハラスメント対策に取り組みたいと考える企業が参考にできるよう、6か月で一通りのメニューが導入できるモデルプラン(下記1~7)の実施を20社の企業にご協力いただきました。そのフィードバックを参考に作成したのが今回のマニュアルです。なお、そのモデルプランのメニューごとにポイントを解説したのがマニュアルの主要部分となります。また、マニュアルには、従業員アンケート調査のひな形、研修用資料、パワハラ相談対応者が使える相談記録票など、参考資料も豊富に収録しています。
【モデルプランの内容】
 1,企業トップからのメッセージの発信
 2,ガイドラインや就業規則などの社内ルールの作成
 3,従業員アンケートによるパワハラの実態把握
 4,管理職研修・従業員研修の実施
 5,会社の方針についての社内周知
 6,相談窓口や対応責任者を決めるなどの相談・解決の場の設置
 7,行為者に対する再発防止研修

厚生労働省HP

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2015年4月25日土曜日

厚労省、契約申し込みみなし制度で派遣労働者に有利解釈



厚生労働省の行政解釈でも,国対国民を対象とするものと私民対私民を対象とするものがあります。


労働災害に関する行政解釈の場合は,労働基準監督署が行政解釈に沿った事務処理をするため,事実上,労災請求をする国民を拘束することになります。


労働契約法に関する行政解釈の場合は,労働基準監督署が関与することができませんので,労使という私人間の紛争解決に資することがないという特性があります。


派遣法に関する行政解釈は,派遣法の指導助言勧告などを通じて,影響がないこともないでしょうが,雇用を拒絶された場合は,やはり裁判所で解決すべき問題となりますので,その意味では,労使間の紛争解決に資するものとはいえません(裁判所が,行政解釈を派遣法の解釈の際の判断要素とすることは多いので,まったく役に立たないわけではありません)。


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2015.4.25 09:01


厚生労働省は24日、派遣労働者の違法派遣を防ぐ「労働契約申し込みみなし制度」の10月1日施行に備え、派遣労働者保護の観点を重視した行政解釈を、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の関係部会に示した。みなし制度の解釈をめぐり、派遣先企業と派遣労働者の認識が食い違う可能性があり、同省の解釈を示す必要があると判断した。
 みなし制度は、派遣先企業が違法派遣と知りつつ派遣労働者を受け入れている場合、派遣労働者を社員として雇用する労働契約を申し込んだとみなす仕組み。効力は1年間で、その間に派遣労働者が望めば社員になれる。
 ただ、派遣先企業は申し込みを派遣労働者に知らせる義務はない。行政解釈では申し込んだとみなす時点について、「違法行為が行われた日ごと」と指摘。違法状態が続く間は常に申し込んでいるとして、派遣労働者に有利な解釈を示した。
産経新聞HP
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2015年4月23日木曜日

最初の給料の支払日



平成27年4月1日が就業開始日


賃金の締切日は毎月25日


賃金の支払日は翌月25日


の場合,


4月に賃金は支給されず,4月の労働分は5月に支給されることになります。


毎月の賃金支払いを命じている労働基準法第24条第2項との関係が問題となります。


結論を述べますと,このような賃金の支給方法は適法です。




まず,確認ですが,労働基準法第24条第2項が毎月の賃金支払いを命じていたとしても,労働者が労働をしていなければ,賃金を支払う必要がないということは理解できると思います。


つぎに,日雇い労働のように,労働日に当日の賃金を支払ってくれる(日払い=日給制)という賃金支払い形態もありますが,通常は,週給制・月給制(1週間分や1ヵ月分をまとめて後払い)ということもご存じだと思います。


民法624条第1項により,雇用(労働)の報酬(賃金)は後払いであること,第2項により,賃金は週給制・月給制でも差し支えないことが定められています。


使用者(経営者)に毎月の賃金支払いが命じられているとしても,法律上の原則として,賃金の支払期限が到来するまでは,賃金を支払う義務はないとされています。


したがって,4月分の労働に対する賃金は,4月に支払う必要はなく,支払期限である5月に支払えばよいことになります。


労働基準法には賃金の締切日(締切期間)や賃金の支払期限についての規定がありません。


労働基準法第24条第2項には,毎月の賃金支払いを命じているので誤解しがちですが,


労働基準法に規定のない賃金の締切日や賃金の支払期限のことも含めて,労働基準法第24条第2項は,解釈しなければなりません。


したがって,賃金の締切期間が翌月にまたがる形の,当月26日から翌月25日までの期間とすることはさしつかえありません。


また,当月の労働に対する賃金を翌月に支払うこともさしつかえありません。


ただし,ある月の労働分の賃金の支払期限が,労働基準法第24条第2項の趣旨に照らして,不当に遅延するような場合は,その支払期限の定めは無効となります。


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民法
第六百二十四条  労働者は、その約した労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができない。
 期間によって定めた報酬は、その期間を経過した後に、請求することができる。


労働基準法
第二十四条  賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

○2  賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。

2015年4月22日水曜日

札幌 労働基準監督署へ解雇の相談

当事務所(司法書士・行政書士・社会保険労務士)では,不当解雇に関する書類の作成を承っております。
札幌市中央区,西区,手稲区,北区,東区,白石区,豊平区,南区,厚別区,清田区



(1)なぜ,労働基準監督署は解雇の相談に応じてくれないのか?



厳密には,解雇の相談には応じてもらえます。



解雇に対してどういう手段対応があるのかを教えてもらうことはできます。



しかし,労働基準監督署は解雇の有効無効を判断することはできませんので,原則として解雇を撤回しなさいと使用者(経営者)に指導してくれることはありません。



それは,労働基準監督署の権限外だからです(話を簡単にするため,労働基準監督官と労働基準監督署長の権限を区別せずに説明します)。



労働基準監督署は,労働基準法や労働安全衛生法などの法律にしか監督権限がありません。



解雇は,労働契約法に規定があります。解雇予告手当,解雇理由書や退職証明書は,労働基準法に規定があります。



労働基準監督署の監督権限は労働契約法には及びません。



よって,労働基準監督署は,原則として解雇について監督権限を行使することはできません。



労働基準法,男女雇用機会均等法や育児・介護休業法に違反する疑いのある解雇については,労働基準監督署は監督権限を行使できますが,あくまで,報告を求めることや指導・勧告をすることなどであって,解雇の有効無効を判断することはできません。使用者(経営者)が指導にしたがわなくても,罰則の適用はありません(報告をしない場合や嘘の報告をした場合は罰則(20万円以下の過料)があります)。



労働基準監督署は,解雇本体に対応はできませんが,解雇予告手当の不払いや裁判で解雇を争うための証拠となる解雇理由書・退職証明書の交付拒絶に対しては,権限がありますので,対応してもらえます。



(2)解雇は,労働契約法に規定されています。



労働契約法には,罰則規定がありませんので,労働契約法の条文に違反しても罰則はありません。



したがって,裁判所が解雇が無効と判断した場合でも,使用者(経営者)には,なんらの罰則はありません。




(3)解雇予告手当は,労働基準法に規定がありますので,労働基準監督署は関与することが可能です。



解雇予告手当は,原則として除外認定を受けない限り,解雇予告手当を支払う義務があります。
(例外は,2ヵ月以内の有期労働契約(延長は除く)や試用期間中で就労開始日から14日以内など)。





なお,解雇予告手当の不払いについては,労働基準法119条に罰則の規定(6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金)があります。



(4)解雇理由証明書・退職証明書は,労働基準法に規定がありますので,労働基準監督署は関与することが可能です。



ただし,労働基準監督署が,使用者(経営者)に解雇予告手当の支払いを強制させることはできませんので,やはり,支払いを強制させるには裁判所に訴える必要があります。





なお,解雇理由証明書・退職証明書の交付拒絶については,労働基準法120条に罰則の規定(30万円以下の罰金)があります。




(5)以上のとおり,労働基準監督署は,使用者(経営者)に対して,労働者の解雇撤回を指導するようなことはありません。


しかし,裁判所は,使用者(経営者)による労働者の解雇について慎重な態度をとっており,懲戒解雇はもとより,普通解雇についても容易には認めません。

とくに,解雇予告手当が不要となるような即時解雇(今日限りでクビだ。)は,よほどのことがない限り,認められることはありません。

衆議院・参議院の厚生労働委員会の付帯決議および厚生労働省の通達も,解雇の訴訟について,原則として使用者側が不利になる取り扱いを肯定しています。

したがって,裁判所で解雇無効の訴訟や労働審判をすれば,労働者の解雇無効が認められる可能性が高く,退職を前提として使用者が解決金を支払う旨の和解が成立することも少なくありません。

一般人の場合は,藁にもすがる思いで労働基準監督署に相談したのに,解雇の有効無効については判断できませんという回答をもらうことにより,心が折れてしまうようです。

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民法
第六百二十七条  当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
 期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
 六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない。
第六百二十八条  当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。




衆議院厚生労働委員会
労働基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(平成15年6月4日)


一 労働契約の終了が雇用労働者の生活に著しい影響を与えること等を踏まえ、政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置及び特段の配慮を行うべきである。

1 本法における解雇ルールの策定については、最高裁判所判決で確立した解雇権濫用法理とこれに基づく民事裁判実務の通例に則して作成されたものであることを踏まえ、解雇権濫用の評価の前提となる事実のうち圧倒的に多くのものについて使用者側に主張立証責任を負わせている現在の裁判上の実務を変更するものではないとの立法者の意思及び本法の精神の周知徹底に努めること。




参議院厚生労働委員会
労働基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(平成15年6月26日)

一 政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
1 本法における解雇ルールの策定については、最高裁判所判決で確立した解雇権濫用法理とこれに基づく民事裁判実務の通例に則して作成されたものであることを踏まえ、解雇権濫用の評価の前提となる事実のうち圧倒的に多くのものについて使用者側に主張立証責任を負わせている現在の裁判上の実務を変更するものではないとの立法者の意思及び本法の精神の周知徹底に努めること。また、使用者に対し、東洋酸素事件(東京高裁昭和五十四年十月二十九日判決)等整理解雇四要件に関するものを含む裁判例の内容の周知を図ること。




労働基準法
(解雇)
第18条の2 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。






労働契約法の施行について
(平成24年8月10日)
(基発0810第2号)
3 解雇(法第16条関係)
(1) 趣旨
ア 解雇は、労働者に与える影響が大きく、解雇に関する紛争も増大していることから、解雇に関するルールをあらかじめ明らかにすることにより、解雇に際して発生する紛争を防止し、その解決を図る必要がある。
このため、法第16条において、権利濫用に該当する解雇の効力について規定したものであること。
イ これについては、次の裁判例が参考となること(別添)。
○ 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には、権利の濫用として無効になると判示した日本食塩製造事件最高裁判決(最高裁昭和50年4月25日第二小法廷判決)
(2) 内容
ア 法第16条は、最高裁判所判決で確立しているいわゆる解雇権濫用法理を規定し、解雇が「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」には、権利濫用に該当するものとして無効となることを明らかにしたものであること。
なお、法第16条は、法附則第2条による改正前の労働基準法第18条の2と同内容であること。
イ 法附則第2条による改正前の労働基準法第18条の2については、「解雇権濫用の評価の前提となる事実のうち、圧倒的に多くのものについて使用者側に主張立証責任を負わせている現在の裁判実務を何ら変更することなく最高裁判所判決で確立した解雇権濫用法理を法律上明定したもの」であり、「最高裁判所で確立した解雇権濫用法理とこれに基づく民事裁判実務の通例に則して作成されたものであることを踏まえ、解雇権濫用の評価の前提となる事実のうち圧倒的に多くのものについて使用者側に主張立証責任を負わせている現在の裁判上の実務を変更するものではない」ことが立法者の意思であることが明らかにされており、これについては法第16条においても同様であること。




労働契約法
第十六条  解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。




2015年4月14日火曜日

労災と健康保険のいずれの給付も受けられないとされた裁判例



労災保険給付と健康保険給付のいずれの給付も受けられないという,いわゆる谷間問題の事案です。
(平成25年の健康保険法の改正前の事案)


原告の請求は棄却または却下されました。






事件番号
 平成25(行ウ)13
事件名
 高額療養費不支給処分取消等請求事件
裁判年月日
 平成27年2月26日
裁判所名・部
 奈良地方裁判所  民事部
全文(最高裁判所HP)

2015年4月11日土曜日

平成27年度地方労働行政運営方針(厚生労働省)



(5)コスト削減の取組 都道府県労働局の運営に必要な経費のコスト削減については、従来より実施してきたと ころであるが、職員一人一人が、従前と同等以上のサービスをいかにして低いコストで実 現するかという視点を持ち、行政事務の効率化及び節電対策を含めた経費節減について意 識を高め、徹底したコスト削減に取り組む。


個人的には,上記の記載が気になりました。
厚労省関係は,非正規労働者や業務委託が増えており,マッチポンプになるような気がします。


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3 労働条件等をめぐる動向
(1)申告・相談等の状況
平成25 年度個別労働紛争解決制度施行状況においては、総合労働相談件数が約105 万件(前年度比1.6%減)となっている。

そのうち、民事上の個別労働紛争の相談件数が約25 万件(同3.5%減)、助言・指導申出受付件数が10,024 件(同3.3%減)、あっせん申請受理件数が5,712 件(同5.5%減)となっており、今後も引き続き高水準で推移していくものとみられる。
さらに、その内容を見ると、従来から多かった解雇、労働条件の引下げの相談が減少傾向にある一方、いじめ・嫌がらせの相談が平成25 年度は59,197 件で、前年度比では7,527 件(14.6%)増加している。労働基準監督署には、賃金不払を中心とした申告事案が依然として多数寄せられている。
雇用均等室には、募集・採用等に関する性別を理由とする差別的取扱い、妊娠・出産、育児・介護休業の取得等を理由とする解雇その他不利益取扱い、セクシュアルハラスメント、母性健康管理措置、パートタイム労働者の雇用管理等に関する相談が多数寄せられている。
公共職業安定所には、求人票の内容と実際の労働条件の相違、雇用保険の未加入、離職理由の相違などに関する相談が多数寄せられている。



(3)労働災害・労災補償の状況
労働災害の発生状況については、平成26 年上半期(6月末現在速報値)時点で、死亡災害、休業4日以上の死傷災害が前年同期比でそれぞれ19.4%、3.6%増加した。このた
め、8月に業界団体に対する緊急要請を行い、労働災害の増加に一定の歯止めがかかったものの、平成26 年の死亡者数は1,015 人(前年同期比0.5%増:平成27 年2 月末時点速報値)、休業4日以上の死傷者数は113,972 人(前年同期比1.0%増:平成27 年1 月末時点速報値)と、前年を上回る結果となった。また、第12 次労働災害防止計画(以下「12次防」という。)では、平成29 年時点で労働災害による死亡者数、休業4日以上の死傷者数を平成24 年実績(死亡者数1,093 人、休業4日以上の死傷者数9,576 人)よりも15%以上減少させることを目標としているが、2年経過時点で死亡災害が4.1%の減少、死傷災害が0.3%の減少に留まり、目標達成が困難な状況となっている。
一方、労働者の健康をめぐる状況についてみると、我が国における自殺者のうち、7,164人が「被雇用者・勤め人」であり、自殺の原因・動機が特定されている者のうち「勤務問題」が原因・動機の一つとなっている者は2,227 人となっている(平成26 年における自
殺の状況【内閣府・警察庁】)。
さらに、職場において受動喫煙を受けていると回答した労働者の割合は47.7%となっている(「平成25 年労働安全衛生調査(実態調査)」)。
労災保険給付の新規受給者数は、平成25 年度は約60.3 万人となっている。また、脳・心臓疾患事案の労災請求件数は784 件(前年度比6.9%減)とほぼ横ばいで推移している中、精神障害事案の労災請求件数は1,409 件(前年度比12.1%増)と過去最多を更新している。
石綿関連疾患の労災請求件数は1,113 件(前年度比5.0%減)と引き続き高水準で推移している。一方、「石綿による健康被害の救済に関する法律」(平成18 年法律第4 号)に基づく特別遺族給付金の請求件数は、40 件(前年度比77.5%減)、支給決定件数は23 件(前年度比86.2%増)と減少している。



エ 妊娠・出産、育児休業等の取得等を理由とする解雇その他不利益取扱いの禁止の徹底
妊娠・出産、育児休業等の取得等を理由とする解雇その他不利益取扱いは、女性労働者の尊厳を傷つけ、継続就業を妨げるものであり、決して許されるものでない。
しかしながら、近年の女性労働者からの相談件数は引き続き高い水準にあるため、関係法令の周知徹底を図り、相談に当たっては、女性労働者の立場に配慮しつつ迅速・丁寧な対応を進めていくとともに、法違反が疑われる事案を把握した場合には、平成27年1 月23 日に発出した「「改正雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の施行について」及び「育児休業・介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の施行について」の一部改正について」を踏まえ、事業主に対する積極的な報告徴収・是正指導等を行うことが重要である。



(1)働き方改革の推進について
ア 働き過ぎ防止に向けた取組の推進
(ア)長時間労働の抑制及び過重労働による健康障害防止に係る監督指導等
長時間労働の抑制及び過重労働による健康障害を防止するため、「過重労働による健康障害防止のための総合対策」(平成18 年3 月17 日付け基発第0317008 号)に基づき、
過重労働が行われているおそれがある事業場に対して、労働時間管理、長時間労働を行わせた場合における面接指導の実施等を含む健康管理に関する窓口指導、監督指導等を徹底する。

また、使用者、労働組合等の労使当事者が時間外労働協定を適正に締結するよう関係法令の周知を徹底するとともに、特別条項において限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を定めていないなどの不適正な時間外労働協定が届け出られた場合には、限度基準告示等に基づき指導を行う。
特に、各種情報から時間外労働時間数が1か月当たり100 時間を超えていると考えられる事業場や長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場に対して、監督指導を徹底する。
また、11 月を「過重労働解消キャンペーン(仮称)」として、長時間労働の抑制等過重労働解消に向けた集中的な周知・啓発等の取組を行う。



カ 「労災かくし」の排除に係る対策の一層の推進
「労災かくし」の排除を期すため、その防止に向けた周知・啓発を図るとともに、引き続き、的確な監督指導等を実施し、その存在が明らかになった場合には、司法処分を含め厳正に対処する。また、全国健康保険協会都道府県支部との連携による労災保険給
付の請求勧奨を行うとともに、労災補償担当部署と監督・安全衛生担当部署間で連携を図りつつ、「労災かくし」の疑いのある事案の把握及び調査を行う。



6)労災補償対策の推進
ア 労災保険給付の迅速・適正な処理
(ア)標準処理期間内の迅速・適正な事務処理等
労災保険給付の請求については、標準処理期間内の迅速な事務処理を行うとともに、認定基準等に基づいた適正な認定に万全を期する。
また、労災保険の窓口業務改善については、引き続き、相談者等に対する丁寧な説明や請求人に対する処理状況の連絡等の実施を徹底する。
(イ)脳・心臓疾患事案及び精神障害事案に係る迅速・適正な処理
社会的関心が高く、複雑困難な事案が多い脳・心臓疾患事案及び精神障害事案については、認定基準等に基づき、迅速・適正な事務処理を一層推進する。
特にセクシュアルハラスメントなど職場のストレスに起因する精神障害に関する労災請求を行った労働者からの聴取等にあたっては、専門的な能力を有する労災精神障害専門調査員を活用すること等により、適切に対応する。
さらに、脳・心臓疾患及び精神障害に係る労災請求事案については、労災補償担当部署から監督・安全衛生担当部署への情報提供を徹底する。

(ウ)石綿救済制度等に係る周知徹底及び石綿関連疾患の請求事案に係る迅速・適正な処理
石綿関連疾患に係る補償(救済)制度の更なる周知の徹底を図り、特にがん診療連携拠点病院等で問診の際に石綿ばく露チェック表の活用や労災請求の勧奨がされていない場合は、当該病院等に対して再度周知を行う。
また、石綿関連疾患に係る労災保険給付及び特別遺族給付金の請求については、認定基準等を踏まえ、被災労働者及びその遺族に対し迅速・適正な補償・救済を行う。
(エ)胆管がんに係る労災請求事案への対応
印刷事業場等において発生した胆管がんに係る労災請求事案については、業務上外を適切に判断するため、職歴、従事業務、化学物質の使用状況及び事業場の作業環境等について、的確な調査を実施の上、本省にりん伺を行う。
イ 第三者行為災害に係る適正な債権管理等
第三者行為災害事案については、納入告知を行わずに当該債権を時効により消滅させることがないよう、災害発生から3年以内に求償すべき債権を的確に徴収決定するため、
組織的に進行管理を行う。
また、徴収決定した債権について、漫然と時間を経過させ時効を迎えることがないよう組織的に管理し、納入督励等定期的に必要な措置を講じる。



(ウ)妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いへの厳正な対応
妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いについては、女性労働者の尊厳を傷つけ、継続就業を妨げるものであり、決して許されるものでない。

しかしながら、近年の女性労働者からの相談件数は引き続き高い水準にあるため、関係法令の周知徹底を図り、
相談に当たっては、労働者の立場に配慮しつつ迅速・丁寧に対応を進めていくとともに、法違反が疑われる事案を把握した場合には、平成27 年1 月23 日に発出した「「改正雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の施行について」及び「育児休業・介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の施行について」の一部改正について」を踏まえ、事業主に対する積極的な報告徴収・是正指導等を行う。



7 労働保険適用徴収業務等の重点施策
(1)労働保険料等の適正徴収等
ア 収納率の向上
平成25 年度の労働保険料等の収納率は98.0%となっているが、収納率の向上は、適用徴収業務における最重要課題であることから、滞納整理、納付督励等の徴収業務に引き続き、積極的に取り組む。なお、滞納整理に当たっては、高額滞納事業主及び複数年度にわたり滞納している事業主を重点に、実効ある計画に基づき実施する。
イ 効果的な算定基礎調査の実施
パートタイム労働者等を多く雇用する業種や、雇用保険の加入漏れが多いと見込まれる事業場に重点を置いた効果的な算定基礎調査を実施する。
ウ 電子申請の利用の促進等
事業主や社会保険労務士等に電子申請の利用を勧奨するとともに、都道府県労働局自らが行う労働保険料の申告等についても電子申請により行う。
(2)労働保険の未手続事業一掃対策の推進

労働保険の未手続事業を一掃するため、局内・署・所の連携を密にするとともに、関係行政機関との通報制度等を活用し、また、労働保険の加入促進に係る委託業務の受託者と連携し、未手続事業の積極的かつ的確な把握及び加入勧奨を行う。
さらに、加入勧奨に応じない未手続事業場に対しては、強力な手続指導及び職権による成立手続を行う。なお、未手続事業に係る認定決定に当たっては、認定決定すべき保険年度に留意し、特に、保険事故の発生により認定決定を行う場合、対象とする保険年度、労災保険、雇用保険の算定及び時効により保険料を徴収する権利が消滅しないよう留意し実施する。



厚生労働省HP
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000081947.html


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2015年4月9日木曜日

これってあり?~まんが知って役立つ労働法Q&A~

個人的な評価は,50点です。


内容が固いというか,もう少しわかりやすく表現した方がよいでしょう。


とくに,A(=解答)が,ほぼ文章のみになっている時点で,マンガじゃねーよ!


まぁ,解答をマンガで表現できないところが,労働法違反の解決の難しさを適切に示しているともいえますが・・・


あと,作成年月日を最初のページに記載していない点がマイナスポイントです。厚労省のパンフは,ほとんど最終ページに作成年月日を記載しており,インターネットで見るときの配慮を考えないアホさを何とかしてほしい。


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就職を控えた学生などが、働き始める前やアルバイトをするときに、最低限知っておいてほしいルールをまとめたハンドブック「これってあり?~まんが知って役立つ労働法Q&A~」を作成しました。 
労働法について分かりやすく解説している内容になっていますので、これから働き始める前の参考資料としてご活用下さい。



厚生労働省HP
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/mangaroudouhou/


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2015年4月2日木曜日

傷病手当金と労災申請(社労士:札幌市)

会社休職の原因が,うつ病などの精神障害の場合は,


会社側は,労災ではなく,健康保険の傷病手当金の支給手続きをします。


傷病手当金は,業務外(会社の仕事以外の原因で精神障害になった)の原因で,休職した場合に支給されるものです。


しかし,会社休職の原因が,長時間労働やパワハラうあセクハラなど,業務上の原因の場合は,労災の休業補償給付(および休業特別給付金)や療養補償給付(治療代)が支給されます。


傷病手当金は,受給期間は最大1年6ヵ月ですが,労災の場合は,基本的には治癒するまで受給できますし,治療代も支給されるところがメリットです。


会社側は,労災請求だと労働基準監督署に目を付けられることなど不利になるので,健康保険の傷病手当金の支給手続きをするようです。


労働者が,休職原因が業務上の原因に基づくものと考える場合は,傷病手当金を受給しつつ,労働基準監督署に労災の請求をすることができます。


ただし,労災の請求について,会社側の協力を得ることが難しいので,社労士に依頼した方がよいでしょう。


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労災の申請(労災の請求)手続きのご依頼・ご相談


札幌市内だけでなく,北海道内からのご依頼・ご相談を受け付けています。


◇岩見沢,札幌,倶知安,室蘭,浦河,函館,江差,旭川,留萌,稚内,網走,帯広,釧路,根室,北見,富良野,深川,滝川,美唄,江別,小樽,石狩,北広島,恵庭,千歳,苫小牧,登別,伊達,北斗

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2015年4月1日水曜日

労働審判の申立書の作成(札幌地方裁判所)



【労働審判の申立書の作成(札幌)】


平成28年 
採用内定取り消しの労働審判事件について,調停が成立しました。


当事務所が労働者側の労働審判申立書を作成しました。


労働トラブルの無料電話相談を実施しております。


電話番号:011-532-5970


札幌市中央区 
石原拓郎司法書士行政書士社会保険労務士事務所
事務所のHP http://ishihara-shihou-gyosei.com


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労働審判は,原則として3回の期日で個別労働紛争を解決できる制度です。

都道府県労働局のあっせんは,会社側にはあっせんに応じる義務がないことや,

あっせんが成立する場合でも解決金額が裁判所関与の金額に比べて著しく低い傾向があります。

したがって,地方裁判所に労働審判の申立てをする方がメリットがあります。

弁護士に依頼した場合,採算割れするようなときは司法書士に労働審判申立書の作成を依頼することができます。

司法書士に依頼した場合は,依頼者本人が地方裁判所に行く必要がありますが,

弁護士と異なり成功報酬を支払う必要がありませんので,弁護士よりも報酬金額が少ないので,会社への請求金額が少額な場合にはお勧めできます。


◇労働審判申立書は,社会保険労務士や行政書士の資格では作成できません。弁護士法違反です。

当職は司法書士を兼業していますので作成することができます。



労働審判の事例としては,

①不当解雇=解雇の無効(懲戒解雇,普通解雇,整理解雇)

②残業代の請求(時間外労働,休日労働)

③雇い止めの無効

④パワハラ・セクハラの損害賠償請求

⑤未払い賃金(給料未払い)の請求

⑥解雇予告手当の請求

などがあります。

証拠を十分収集しているかどうかがポイントです。

証拠がなければ,裁判に負けます。




*地方裁判所へは,依頼者本人が出席しなければなりません。

◆裁判所の手数料(収入印紙代)が
必要になります。




◆札幌地方裁判所の労働審判申立ての郵券は,計2197円です(平成28年9月末現在)。
(1000円1枚,205円1枚,100円5枚,82円1枚,50円5枚
20円5枚,10円5枚,5円1枚,1円5枚)





2015年3月29日日曜日

ブラック企業、捜査強化…特別班新設の労働局

6人でどこまでできるか分かりませんが,期待したいところです。


重点監督でも,200事業場しか調査できないみたいですが・・・


(事業場とは,工場や営業所単位のことですので,会社の本社とは限らず,会社の数よりも多く存在しています。)


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大阪労働局は4月1日、捜査部門の監督課内に「過重労働撲滅特別対策班」を新設する。
同局は「過重労働が横行している」として、大阪府内に本社を置くブラック企業などの違法行為について捜査を強化し、過労防止につなげる考えだ。
 
対策班は企業の本社が集積し、捜査態勢が充実している東京、大阪の2労働局に設置大阪は監督課長を筆頭に6人で構成し、複数の事業所を持つ大企業や、ほかの都道府県の事業所も対象に加える広域捜査を積極的に進める。
 国は昨年11月施行の過労死等防止対策推進法に基づき、遺族の協力を得て大綱づくりなど対策を進める。
 大阪労働局では昨年11月、過労死の遺族から労災請求があった企業などに対する重点監督を実施し、府内の208事業場のうち85%(177事業場)で長時間労働や残業代の未払いなどの違法行為が確認された。
 業種別で違法行為が多かったのは▽小売店などの商業47事業場▽製造業30事業場▽運輸交通業24事業場▽福祉施設などの保健・衛生業18事業場――の順。特に商業や製造業、建設業では、残業が国の労災認定の目安(月80時間超)を上回る100時間超の事例があった。

読売新聞HP

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2015年3月24日火曜日

自殺の1級建築士「仕事が原因」 遺族補償認める判決



労働基準監督署の不認定は,当時の基準である平成11年9月策定の判断指針に基づいたことが影響していたのでしょうか?
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自殺した1級建築士の男性=当時(33)=の妻が、遺族補償給付などの支給を認めなかった中央労働基準監督署(東京)の処分取り消しを求めた訴訟で、東京地裁は23日、自殺の原因は仕事だったとして、処分を取り消した。
 古久保正人裁判長は、男性の時間外労働が月200時間を超えることもあり、クレームへの対応などで強いストレスを受けて精神障害を発症し、障害が原因で自殺したと認定した。
 判決によると、都内の建築資材会社に勤務していた男性は平成17年8月に自殺した。妻は、業務が原因で死亡した場合に支払われる遺族補償給付と葬祭料を国に請求したが、中央労基署は20年2月、「自殺は業務が原因ではない」として不支給を決定した。
 中央労基署は「判決内容を検討し、関係機関と協議して対応を決めたい」とコメントした。
産経新聞HP
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